無病息災を願うお茶、大福茶

日本茶
2020.11.17

毎年11、12月になると、主に京都やその近辺地域のお茶屋さんの店先には「大福茶(おおぶくちゃ)」というお茶が並び始めます。
大福茶とは、平安時代から伝わる、新年を祝い、一年の無病息災と家内安全を願ってお正月にいただく縁起のいいお茶のこと。
最近では関西以外の地域のお茶屋さんでも見かけることが増えたようですが、まだまだ聞きなれない方も多いかもしれません。
大福茶とはどんなお茶か、ご紹介しましょう。

大福茶の由来

平安時代中期、京の都で疫病が大流行したとき、僧である空也上人が悪疫退散を願って梅干しを入れたお茶を病人にふるまったところ、疫病が静まったそうです。

その後、村上天皇(946~967年)もこの徳にあやかるように、毎年お正月にこのお茶を飲むようになったことから「皇服茶」「王服茶」と呼ばれることとなりました。
やがてこの習慣が庶民にも広まり、幸福の福の字をあてた「大福茶」という縁起の良い名前へと変わり、今日まで伝えられているそうです。

空也上人とは

大福茶を発案したと言われる空也上人。
歴史の授業で習った、口元から6体の仏像が飛び出している「空也上人像」を覚えておられる方も多いはず。

空也上人は、念仏を唱えながら自らが彫った「十一面観音像」を安置した台車を曳いて、当時荒れ果てていた京の街中をくまなく歩き、病気や貧困で苦しんでいた人々を癒したといいます。

空也上人が活躍していた時代、お茶は非常に貴重な飲みものでした。
僧侶や貴族階級の人々など、上流階級の限られた人々だけが口にすることができました。
そんな貴重なお茶を、空也上人は、悪疫退散の願いをこめて市井の人々にふるまったのです。

「阿弥陀聖(あみだひじり)」「市聖(いちのひじり)」と呼ばれ、市井の人のための聖人として尊敬されていたのも納得ですよね。

その後、70歳で自らが建立した六波羅蜜寺で亡くなるまで、身分や思想に関係なく多くの人を救ったと言われています。

多種多様な「大福茶」

霊験あらたかな大福茶ですが、一言で「大福茶」と言っても、お茶屋さんやご家庭によってベースとなるお茶や入れるものが違います。
煎茶や玉露、玄米茶などの茶葉や粉茶を使ったり、結び昆布や梅干を入れたり入れなかったり、本当にバラエティ豊かなお茶なのです。

千紀園では大福茶に入れる結び昆布も取り扱っております

千紀園の大福茶は、北海道産昆布の粉末、乾燥梅肉とともに、京都・宇治産の碾茶(てんちゃ)の葉を入れています。
碾茶とは、抹茶の原料になるお茶のこと。
粉砕して抹茶になってから販売されることが多いので、碾茶のまま販売されることはあまりないようです。
なので、碾茶が入った千紀園の大福茶は、ちょっと珍しいかもしれません。
碾茶は薄く柔らかい茶葉なので、お茶と一緒に飲み込んでも違和感はありません。
一年の無病息災を願い、ぜひ茶葉も一緒にお召し上がりください。

無病息災と家内安全を祈願する大福茶

このひと包みで5人分程の大福茶が淹れられます

無病息災 大福茶

 

大福茶は、その由来から縁起がいいお茶とされているので、お世話になった方や感謝の気持ちを伝えたい方への贈り物としても最適です。
お歳暮やお年賀の贈り物に添えてお贈りしても喜ばれます。
また、お年賀に来られたお客様にお出しするのもよいでしょう。

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今年は新型コロナウイルスの影響で、生活様式も一変し、なんだかソワソワ落ち着かない気持ちのまま1年を過ごした方も多いでしょう。
最近も、「新型コロナ第3波か!」との報道があり、「またか…」と暗い気持ちになった方もいるのでは。

こんな時期だからこそ、家族や親しい人達の新しい1年の健康と幸福を強く願い、大福茶を飲んだり贈ったりしてみてはいかがでしょうか。

 2020.11.17

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