お歳暮を贈るときの「のし」のマナー

読み物
2020.12.4

お歳暮・冬ギフトなどをはじめとする贈り物には、もれなく「のし」が掛けてありますね。
「のし」とはどんなものかご存じですか?

お店の方が意を汲んでのしの体裁を整えてくれるし、全部をお任せしている方も多いことと思います。
しかし、のしにも様々なルールがあり、お店の人に詳細を伝え漏らしたりすると、そのルールを破ってしまいかねません。

受け取られる方に不快な思いをさせないためにも、今回は、お歳暮・冬ギフトに関する「のし」についての基礎知識についてご紹介します。

「のし」とは

現在、一般的に「のし」と呼ばれているのは「のし紙」のことです。

「のし」は、正確にはのし紙の右上についている、六角形の包み全体、もしくはこの包みの中に入っている黄色いものを指します。
この黄色いものは、のしの語源となっている「のしあわび」です。
昔、不老長寿の象徴で貴重な食材であったあわびを伸ばして(=のして)干したものを、
お祝いごとの席で肴にしたり、ご祝儀に添えたりするという習慣があったとされています。

そこから時代が変わるとともに、のしは贈り物の包みに用いられるようになり、
現在では、のしと飾り紐「水引」がセットで印刷された「のし紙」がのし、と呼ばれるようになりました。

お歳暮・冬ギフトを贈るときに使うのしとは

のしは贈り物の種類ごとに使うべきものが決まっています。
まず最初に注目すべきは、水引の色や形。

「紅白の蝶結び」は、出産のお祝いやお歳暮など、何度でも繰り返したいことに使います。
「紅白の結び切り」は、結婚や病気の回復祝いなど、繰り返さずに一度限りであってほしいお祝い事に使います。
白黒の通称「仏のし」は、二度と繰り返したくないお悔やみ全般に使います。
黄色の水引ののしもありますが、これは主に近畿地方や北陸地方などで法事の際に使われます。

お歳暮に使うときは、右上にのし飾り、中央に蝶結びで紅白5本の水引が印刷されているのしがおすすめです。

また、のしのかけ方にも2種類あり、宅配などで贈りたい場合は品物に直接のしをかけ、その上から包装する「内のし」という方法で行います。
一方、直接先方のお宅に訪問して手渡しする場合などは、包装紙の上からのしをかける「外のし」が一般的です。

お歳暮ののしの書き方

のしには、「お歳暮」「お年賀」などといった何のための贈り物なのかを意味する「表書き」と、贈り主の名前を書きます。
表書きは、のしの中央上段に、水引やのしにかからないように書きます。
贈り主の名前は、のしの中央下段に、表書きよりやや小さめの字で書きます。

表書きを書く際の注意

お歳暮は、一般的11月下旬から12月20日頃までに贈るものとされています。
この期間、もしくは年内中にお届けできるのであれば、表書きは「お歳暮」と書きます。

もし年内に届けられない場合、関東地方では1月7日(松の内)まで、関西地方では1月15日までは「御年賀」と表書きに書きましょう。
その後は、立春(2月4日ごろ)までの間は「寒中御見舞」と書きましょう。

また、お歳暮はお祝い事ではなく、日頃からお世話になっている人へ感謝やお礼の気持ちとして何度も贈るものです。
一度だけ贈りたい場合は、表書きを「御礼」とします。

贈る側か贈られる側、どちらかが喪中の場合

自分か相手が喪中の場合は、慶事を表す紅白の水引やのしを使うのはふさわしくありません。
喪中の場合は水引なしの無地のかけ紙を使います。

また、四十九日を過ぎてから贈り物をするのが無難ですが、四十九日を過ぎるのを待つと年内に届けられなくなる場合、
寒さが厳しい時季に相手を気遣う季節の挨拶である「寒中見舞い」(寒中御見舞、寒中御伺など)として、1月7日頃~2月4日頃に品物を贈りましょう。
通常なら「お年賀」として年明けに品物を贈る方法がありますが、お年賀は「新年を慶ぶ」というお祝いの意味があるため喪中の場合は使えません。

千紀園のお歳暮・冬ギフト特集

 2020.12.4

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