新・大福茶に込めた、店主の想い

日本茶
2021.12.6

千紀園(せんきえん)店主が、新たに生み出した大福茶(おおぶくちゃ)に込めた想いをつづりました。

それまで当たり前だったものが、瞬く間に当たり前でなくなってしまった、コロナ禍。
日常生活の送り方などたくさんの事柄が、コロナ禍を受けて変わっていきました。
しかし、大切な人たちの無病息災を願う気持ちは、いつまでも変わりません。


 

2019年12月初旬に海外ニュースにて、中国の武漢市で感染症が広まっているというのを見た。
あのときは、こんなに世界中で長期間にわたり猛威をふるうと予想だにしなかった。

2020年1月後半には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がある世界でともに生き続ける時代になる、という会話をしていた。
ただその時は、どうしても信じたくなかった。
その後すぐにパンデミックと言われる世界的な流行となった。
当店も百貨店内の店舗を休業するなど対応に追われた。

2021年11月29日、国内の感染者数もピーク時の24,000人から76人まで下がってきた。
2021年11月30日、新型コロナ「オミクロン株」国内初確認となった。

また世界で猛威をふるうのか。いつコロナとの闘いは終わるのか。

 

天暦5年(951年)、京畿に流行した疫病。
空也上人が疫病退散を願って、御仏を車に安置して市中を曳きまわり、お茶を天皇や病者に授け病魔を鎮めたという。
1070年も前と同じ状況が現代で起こっているのである。


日本には無病息災を願う行事が一年をとおして行われる。

祭事にふれ、季節の移ろいの美しさを感じていた。
祭事の意味は理解していたが、疫病の恐ろしさを実感していなかった。
薬、ワクチンの無い時代はなすすべも なかっただろう。
疫病が恐ろしかったのは、遠い昔の話だとずっと思っていた。
今振り返れば、平和な時を過ごせていたのだ。


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老舗茶舗として、
古(いにしえ)から続く日本の行事を大切にしたいと思っている。


コロナが蔓延して終わりの見えない闘いが続く今、「病魔よ鎮まれ」と強く願う。
空也上人のように、お茶を人々にふるまって病魔が鎮まれば良いのにと心から願う。

1070年前と同じようにお茶の力で病魔がおさまるとは思えないが、
願わくば 早く鎮まって欲しい。

お茶で皆さんの無病息災と新型コロナウイルス感染症の終息を強く願う。


そんな思いで、新しい大福茶を生み出した。
商品の袋や茶筒(茶缶)にも願いを込めたかった。

願いをこめて、『大福茶』という文字を必死に書いた。

書道をするのは25年ぶりだった。
あまり上手に書けたとは言えないが、無病息災の願いをこめて100枚近く 書き続けた。

 

デザイナーの南先生に、願いを込めた書を茶缶や茶の袋の真ん中に配置してもらった。

 

想いを込めたお茶「大福茶」を、お正月に飲んでいただけたら幸いです。
無病息災を願う気持ちをご家庭でも、身近な方へのプレゼントにもご利用ください。

まわりの方の無病息災と、次の一年の健康を祈る想いがこもったお茶です。

無病息災 大福茶(おおぶくちゃ)

 

 2021.12.6

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