棚(たな)

2018.6.1

用語集テンプレ

棚には、点前座に置く形式の棚と、茶室に付設された仕付棚(しつけだな)と呼ばれるものがあります。

点前座に置かれる棚は、台子から派生してできたものとされ、台子に近い横幅のものを大棚、ほぼ半分くらいのものを小棚といいます。
大棚も小棚も、四畳半以上の茶席で用いられます。

大棚には、地袋に引き違いの襖がはめられた紹鷗棚(じょうおうだな)や、倹飩の地袋をもつ志野棚(一名、利休袋棚)、地板のない寒雲棚(かんうんだな)や円融台(えんゆうだい)などがあります。
大棚は、おおむね四本柱で、他に、古田織部が好んだ弓箭棚(きゅうせんだな)、小堀遠州好の重ね棚、片桐石州好の竹違棚(たけちがいだな)などがあります。

一方、小棚は、歴代家元の好みが非常に多く、材質、意匠とも多岐にわたります。
最初から水指を置いておく「置き棚」と、水指を運び出して点前を始める「運び棚」に大別されますが、中棚の数、地板の有無、柱の本数などによって点前上の規範が決められています。

特殊な棚に、旅箪笥(たびだんす)と呼ばれるものがあります。
利休の創意になり、元来は茶道具一式を入れて携帯したものが、茶席にも据えられるようになったといわれています。
桐材で、錠前の付いた倹飩の戸がはめられています。
のちには、形状がほぼ同様ながら、杉材や春慶塗で好まれたりしました。

また、座礼によらない立礼式の棚として、台子を二つ合わせた寸法の点茶盤や、御園棚(みそのだな)などがあります。

茶室に付設された仕付棚は、裏千家宗家に多くの例が残されており、利休御祖堂の蛤棚(はまぐりだな)、無色軒の釘箱棚(くぎばこだな)、溜精軒の大釣棚(おおつりだな)などです。
なお、裏千家又隠や今日庵にある洞庫(どうこ)も仕付棚に含みます。

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