デザインに込めた想い~大福茶パッケージについて~

日本茶
2021.12.1

2021年、リニューアルした千紀園(せんきえん)の大福茶(おおぶくちゃ)。
中身のお茶だけではなく、パッケージもリニューアルしました。

そのパッケージデザインを担当してくださったのは、南 政宏先生(香川大学准教授)。
南先生は、先生の母校でもある滋賀県立大学にてデザインを学ぶ学生さんたちを指導されておられました。
現在は香川大学にてご活躍中の南先生。
熱い先生なんです。

一方で、Masahiro Minami Designのデザイナーとして、「滋賀の地域産業をデザインの力で元気にしたい」という思いのもと、地域に根ざした企業や公官庁などのグラフィック、プロダクト、パッケージ、ブランディングなどのデザインを担当しておられます。
日本国内で高く評価されていらっしゃるのはもちろん、国際的な権威あるデザイン賞である red dot award、pentawardsなど、多数受賞されています。
本当にすごい先生なんです。

そんな南先生に、千紀園の大福茶のパッケージデザインについてのお話を伺いました。

南 政宏(みなみ まさひろ)/デザイナー、デザインディレクター
 
1978年大阪府生まれ。
2003年滋賀県立大学大学院環境科学研究科環境計画学専攻修士課程修了。
滋賀県立大学講師を経て、
現在、香川大学創造工学部准教授。
Masahiro Minami Design デザイナー。
地域に根ざした企業や 公官庁などのグラフィック、プロダクト、パッケージ、
ブランディングなどのデザインを担当している。
国際的なデザイン賞 red dot awardや、pentawardsなど受賞多数。
 

 
ーパッケージデザインに込めたこだわりを教えてください。
 
千紀園は鶴のマークなので、吉祥を鑑みてデザインは亀でいこうと早い段階で思いました。
鶴と亀があるとさらにおめでたい感じがするためです。
 
最初は具象的な亀の絵も描いてみたのですが、抽象的であるほうが良いと思い、デザインを抽象化しました。
大福茶の文字の周囲にある六角形の形が亀をイメージしたものなのです。
蓋をあけると千紀園の鶴が蓋の内側に現れるようにしました。
鶴と亀が出会うのです。
 
老舗茶舗千紀園(せんきえん)の無病息災を願う大福茶(おおぶくちゃ)
大福茶 茶缶入り
 
 
 
ー色のお話やこだわり、意味があれば教えてください。
 
おめでたい紅白をテーマにしました。他社でもそういう商品が多いのですが。
その上で上質感、高級感を出すことも考えました。
 
白も少し美味しそうに見えるように若干のベージュ色になっています。
 
茶袋と缶とで比率も同じデザインにしていますが、素材が違うので色合わせが難しかったです。
缶は金属の光沢を活かして金色にしていますが、これも良い色が出ていると思いますがキラッとしています。
それに合わせる紙用の金インクではそうはいかないので。
 
老舗茶舗千紀園(せんきえん)の無病息災を願う大福茶(おおぶくちゃ)
大福茶 100g袋
 
 
 
ー面白かったところを教えてください。
 
2種類の赤で校正が出ていて、室内が暗めの本店では暗いほうの赤で決まりかけていたのですが、私の提案で、一番売れる百貨店売り場にわざわざ持って行ってその照明でみると明るい赤のほうが良くて、選択がひっくり返ったところですね。
やっぱり現場に全ての答えがあります。
 
 
ー苦戦したところを教えてください。
 
書体の選定です。
店主に色々毛筆で書いていただいた書の中から良いものを選ぶ作業でした。
大はこれ、福はこれ。というように。
組み合わされています。
 
 
ー大福茶の依頼を受けてどのように感じられましたか。
 
大福茶を飲んだことがなかったので、あまり知らなかったというのが率直なところです。
でも、やったことがないデザインをするのはほぼ毎回です。
 
 


大福茶のパッケージを初めて見た時、美しく柔らかいあたたかみがあるなぁ、と素人目ながら感じました。
そして特別感も感じて、ドキドキワクワクしたことを覚えています。
南先生、さすがです…!

リニューアルした大福茶を、パッケージと中身、両方で味わっていただけたら嬉しいです。

 

無病息災 大福茶(おおぶくちゃ)

 2021.12.1

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