茶の湯 掛け軸

茶道で使う掛け軸はどう手入れすればいい?適切な方法をご紹介

茶道具
2018.11.9

中国から伝わった掛け軸は、元々鑑賞用として重宝されていましたが、千利休によって、茶の湯には欠かせない小道具として現代に伝わっています。

ただ住宅事情から床の間のある家が減り、先祖から伝わった掛け軸を適切に保管しないまま置いているという家庭も増えてきました。今回は掛け軸を飾る機会があっても、普段のお手入れをどうすればいいのか、分からないでいる方のためにも正しいお手入れをご紹介します。

用途や季節などに合っているかどうかが重要

掛け軸は和紙でできているため、床にかけている間も湿気を吸ったり吐き出したりしています。
高温多湿な環境や、エアコンなどの風が当たるような場所では掛け軸が傷んでしまいます。

掛け軸を濡らすことのないよう、周辺に置く花瓶の位置に注意が必要です。
また長時間飾ることで湿気やシミ、日焼けで掛け軸が傷みますので、2,3日に1度は掛け軸を外し、丸めて休ませるようにしましょう。

掛け軸を傷めないための取り扱い方

掛け軸は矢筈という先が二股になった道具を使って取り外しをします。
矢筈に、掛け軸を下げる際に床の間の釘にかける掛け緒を引っかけ、空いた側の手で掛け軸を支え、掛け緒をかけたらゆっくりと掛け軸を下に広げます。

外す時には、表面のほこりを羽ぼうきで軽く落としてから、巻き取って矢筈を使います。
どちらの場合にも、掛け軸が落ちた時のことを考え、周りの置物や花瓶は別の場所に置いてから作業をするようにしましょう。

矢筈(やはず)

掛け軸の保管の仕方

掛け軸を保管する際には、湿気から掛け軸を守ってくれる桐の箱がおすすめです。
先祖代々伝わっている場合には、箱がある場合もありますが、古くなっている場合には新しく用意するようにしましょう。薄い和紙で包み、表具用の防虫香を一緒に入れておくことで、紙に付く虫を防ぐことにもなります。

さらに、保管する場所にも注意が必要です。
湿気が多い場所や、温度変化の激しい場所、高温になるような場所では、カビや虫によって箱自体も傷んでしまいます。

もし掛け軸が傷んでしまった時には

掛け軸でよくあるのが、長く保管しておいたために掛け緒が傷んでいて、飾った後に切れてしまい床に落ちてしまったというものです。 花瓶の水や花の花粉でシミができたり、最悪の場合には掛け軸が傷んでしまうこともあります。 掛け軸自体のカビやシミは、一度できてしまうと専門家にお願いするしかありません。

なるべくそういった事態を防ぐためにも、飾る前には一度畳の上に広げて紐の緩みがないか、表具の傷みや掛け軸に傷がないかチェックするようにしましょう。
掛け軸の付属品については、表具店ですぐに修理をしてもらうことができます。

長く掛け軸を楽しむためにも、まめにお手入れをするようにしましょう。

掛軸(かけじく)

 2018.11.9

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